SPACとブティックM&Aファームの相性

12月31日 FTコラムLEXよりhttps://www.ft.com/content/6de812a5-e6ff-4626-b724-ed21349f2761

Perella Weinberg Partnersと言えばM&A業界のカリスマ、ペレラさんと、GSの保守本流ワインバーグ家の跡取ピーターさんの、二大巨人が設立したブテックファームであります。

映画で言うところのSKGみたいなものですかね(違う?)社名は前から聞いておりましたが、これまでリーグテーブルではあまりお見かけしなかった印象(失礼!)がありました。

その同社でありますが、これまで検討してきた通常上場でなく、SPACを通じた間接上場に切り替えたとのニュースが年末のLEXコラムに乗っております。このあたりのニュースに目を付けるLEXはさすがですね。

さて、その株式価値は$975mmというバリュエーションで、いわゆる”blank Cheque”と称される器に、M&Aの回復を背景に間接上場の道を選ぶと。SPACのコンセプトは古くからあるわけですが、先日のSoftBankさんや、Third Pointさんの動きにもありますように、近年注目を集めております。国内でも野村證券さんのIRなども拝見するとSPAC立ち上げを考えていらっしゃるようですね。

すでに2020年10月以降はM&Aのボリューム($1.2Tn)も回復し、前年同期比を超えています($963Bn)。この流れは今年も続きそうでPWPの想定では今年は昨年比20%上昇して、$575mmの営業収益を見込んでいるとのこと。

ただしコラムでも指摘しておりますが、先行して(通常)上場したブティックファームの株価はマチマチで、Greenhillは2009年の株価ピーク時に比べると5分の1に低迷。EvercoreやPJT Partnersは3月の下落から回復し概ね高値圏で推移中。Moelis、Lazardは往時の高値に比べると低迷中といった感じ。

気になる点としては、PWPのパートナーたちは年間平均で$10mmのPartner Equityを引き出しを許されていること。将来成長への不安の裏返しでしょうか。(ちなみにパートナー数は60を若干下回る程度)

ポジティブ面としてはForward Earningsに対して15倍の値段がついていること。MoelisやPJTがそれぞれ20倍、18倍で値付けされていることを考えると合理的な範囲なのかもしれません。

本日は以上です。

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