あなたは誰を信じますか Howard Marks/Seth Klarmanのメッセージ

2021年1月21日付けFT記事 Fund founder says investors are ‘frogs being boiled’

日本で例え話に使われる「茹でガエル」ですが、英語でもきちんと表現として定着してるんですね。’Frogs being boiled‘とはクレジット、どちらかというとディストレスト投資で有名なBaupost Groupの創業者、Seth Klarman氏の言葉です。

市場という存在は、何年たっても自分には難しいのですが、程度の差こそあれ今をときめく投資マスターたちにとっても2020年は難しかったのでしょう。投資家がよくフォローしている有名人Howard Marks氏のメモが有名ですが、そのMarks氏とKlarman氏という二人のファンド創業者から弱気コメントが出ております事を共有しておきます。。

中央銀行の金融緩和と政府の経済刺激策が経済の実態を覆い隠している

こう批判するのはKlarman氏。(既に頭痛があったとしても)「例えて言うならば大量のアスピリンで本当に病気か分からない。こういう経済状態の中で、投資家がリスク感覚を麻痺させてしまっている」と。

難しいですよね。私もなぜ株式が上がるのか全く分からないのですが、事実は事実。早めに利益確定してしまった己のチキンぶりを嘆いているばかりです。投資プロであればそうも言ってはおれず、上がる市場を追いかけざるを得ない。

二人のバリュー投資家は揃って市場の価格形成機能が落ちている事を指摘していますが、上がる市場は現実である事を受け入れざるを得ません。

市場は決して「完全に効率的」ではない

Klarman氏は市場が「完全効率的」である事を強く否定する立場だそうですが、皆様はいかがでしょうか。Oaktreeの創業者Howard氏は勿論のこと、AUM30Bnドルまで成長したBaupost Groupの創業者が語る「茹でガエルになるな」との警鐘はどこまで強く心に留めておくべきなのか。

あとから振り返ると「言ったでしょう」「そんな事があったじゃない」といくらでも市場転換点の理由は見つかるのですが、その時は分からないし、走り続けるしかなかった。それが殆どの人々だと思います。

上昇相場から早めに降りて「バリュー投資家」として名を馳せるのか、それとも上昇に思いっきり上乗りして「グロース投資家」として勝どきをあげるのか。何とも難しい命題ですね。

今日もよい一日を。

関連ブログ