「生き残る」という意志:米国映画運営AMC

2021年1月26日付けFT記事より AMC says bankruptcy ‘off the table’ after $917m fundraising

コロナが引き続き世界各地で猛威を奮っておりますが(そういえば患者数が世界で1億人を超えたそうですね)、米国でも依然として深刻な社会問題であることはご承知の通りです。

直感的にも大変そうだ、と思える業種の一つが映画館でありますが、その大手運営会社AMCについて今日は触れたいと思います。

いま出来る資金調達のエッセンスが凝縮されている

詳細はこれから説明するとして、この困難の中AMCは約1000億円に及ぶ資金調達を行っています。借り入れと新規株式発行を組み合わせた調達ですが、チャプター11に入らず、「今できること」を総動員して生き残ろうとしている

資金調達方法ですが、まずはイギリスの子会社Odeon Chinemas Groupの資産を担保に400MMポンドの借入枠を設定(Lending facility)。これまでの100MMポンドを拡大させました。気になる調達金利は・・・・初年度10.75%、翌年度から11.25%が適用される3.5年ローンです。た、たかいです・・・・。

またMudrick Capital ManagementからPIK払いの資本と借入を組み合わせ$100MMを調達。借入については最大17%まで金利上昇

これらのなりふり構わない資金調達を組み合わせて、昨年12月中旬時点までに$917MM調達。目先の破産法申請は免れました。

だが、依然として資金は流出中

まずは今年7月までは生き残りの資金を確保した、と会社声明。昨年第4四半期は前年同期と比べて集客が90%以上減少。毎月$124MMものお金を流出させながら何とか頑張っております。

会社は今年の第4四半期にはコロナ前に比べて客足が9割程度まで回復すると予想していますが、もちろん予断は許されません。だけども、です。

NETFLIXなどのストリーミングが定着する、あるいはSocial Distanceの行動様式はコロナ後も戻らない。映画館の未来には否定的な声で溢れています。だけども、

「今を生きるために」やれることは全てやる。

そういう姿を見せてもらうと応援したくなるじゃないですか。がんばれー!

否定的な声に与するのは簡単ですが、「生き残る」という意志が未来をつくる。例えどんなに金利を払おうが、

簡単に破産法を申請してたまるか

という同社の気持ちを記事を読みながら受け止めました。

本日もよい一日を。

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