アメリカは「失敗を許容する社会」とよく言われますが、FTの名物コラムを読んでいて思わず苦笑してしまったのが、「チャプター11」を二度も経験した企業を「チャプター22」と呼ぶ、という話題です。
清算ではなく更生手続きである以上、一定の事業価値や再建の可能性があるからこその申請なのでしょう。しかし、半年も経たないうちに再びチャプター11を申請するとなると、さすがに首をかしげざるを得ません。
債権者の立場になって考えれば、「いきなり全損は勘弁してほしい。少しでも回収の可能性があるなら、そちらに賭けたい」という心理は理解できます。ただ、それが単なる短期的な延命策に終わり、結果的に傷を深くしてしまうケースも少なくないでしょう。
判断は本当に難しいところですが、日本はバブル崩壊を経て「債権放棄」のノウハウを蓄積してきました。その意味では、もし経済環境が逆風に転じたとしても、過去の教訓を生かして冷静に対処できる国だと信じています。ああ、住専問題……(遠い目)。
FT記事:If one bankruptcy is a misfortune, two looks like carelessnessより
スピリット航空は先週金曜日、チャプター11(米連邦破産法第11章)の適用を申請した。同社はここ数か月、債権者と協議し「今後の道筋を明確にする」作業を進めてきたと述べている。気まずいことに、同社が前回のチャプター11から脱却してから、まだわずか6か月しか経っていない。破産の専門家が皮肉を込めて「チャプター22」と呼ぶ、惨めな事例の一つとなってしまった。
破産に一度直面するだけでも関係者にとっては屈辱的かつ痛みを伴う。短期間に二度目となれば、なおさらだ。それは同時に、最初の再建計画を承認した連邦裁判官たちの判断にも悪影響を及ぼす。スピリットだけが「二度漬け」しているわけではない。最近では、ドラッグストアチェーンのライト・エイドや製薬会社マリンクロットも「チャプター22」となった。
また、多くの企業は、初めてチャプター11に入る前に債務の再編を行い、正式な破産を回避してきた。こうした「ディストレスト・エクスチェンジ(困窮下での債務交換)」では、経営難の借り手が既存債務を借り換え、新たな資金を調達する。しかしムーディーズのデータによると、そのような企業の半数は数年以内に再びデフォルトに陥っている。
論理的に言えば、過大なバランスシートを抱える企業は、不安定な経済や高止まりする金利の中で生き残るために必要な厳しい決断を下せていない、ということになる。理由は容易に理解できる。従来型の再建では、債権者は大きな損失――時には全損――を被ることになるからだ。多くの債権者は、楽観的な予測に基づいていても、再建のサイコロを振る方を選びたがる。
スピリットは、飛び立つ前からすでに重荷を背負っていた。同社は現在、ローンや社債で28億ドルの負債を抱えている。さらに航空機リースの現在価値は50億ドルに達する。今年3月、破産裁判所は再建案を承認したが、その結果、スピリットは当時の負債の多くを維持したまま、株式価値はわずか8億ドル程度と見積もられた。非常に薄いクッションである。
今回の申請では、前回残された課題を処理しようとしている。例えば一部の航空機リースの解約、業務改善、さらにより大幅な債務削減などだ。そうすべき理由は明らかだ。格安航空は、家計が苦しい低所得層のアメリカ人に依存している。デルタやユナイテッド、アメリカンといった大手航空会社も、低価格客層の獲得に以前より積極的に乗り出している。
これらのリスクは、前回の再建時にもすでに明白だったとも言える。今回の破産裁判での手続きは、より長引き、かつ紛糾する可能性が高い。それでも、スピリットの債権者たちが必要な現実主義を持ち合わせる保証はない。もしそうでなければ、トレーダーたちが「チャプター33」に賭け始めるのも、そう遠い話ではないかもしれない。
それでは今週もご自愛ください。