プライベート・デット版 国盗り物語

先週のニュースは本当に驚かされる事ばかりでしたが(トマホーク購入や統合作戦本部の設置など・・・すいません防衛関連ばかりですね笑)それにしてもNuveenによるプライベート・デット運用会社Arcmontの買収はインパクトがありました。

金利が上昇するなかでも堅調なプライベート・デット投資ですが、米国の退職教師年金でありTIAAを母体とするNuveenが欧州でも業務を強化するべくArcmontの買収(約10億ドル)で実行。思いつくだけでも以下の運用会社がプライベート・デットマネージャーを買収してきましたが:

Oak Hillは42億ドルでT Rowe Price

Flanklin Templetonは約600MMでAlcentraを買収

・そしてTennenbaum Capitalを2018年に買収したのがBlackRock

加えて、先週水曜日にはGeneral AtlanticIron Park Capitalの買収を発表し、社内でクレジット投資チームを構築するとの観測が出ています。

ArcmontのCEOであるAnthony Fobelさんのコメントを拾ってみると” Access to capital is the critical component”とのコメントがあり、大きなプラットフォームを通じて資金調達面のメリットを重視した決断というのが透けてまいります。

このArcmontですが、元々ヘッジファンドBuleBayの社内プロジェクトとして2011年に立ち上がったものでした。日本の投資家も多いで皆様よくご存知でしょう。そこから260億ドルを運用する規模になり、ヨーロッパでも最も活発なDLマネージャーの一角を占めるようになっています。そして2019年にBlueBayを離れることになり、Dyal Capital Partnersに一部GPステークを持ってもらう形でスピンアウト。そして今回のNuveenによる買収に。

業界通の人であれば、え?Churchill はどうなるの??ということになる訳ですがFT報道によればNuveen Private Capitalという新ブランドを立ち上げ、そこに今回のArcmontと2015年に買ったChurchillをぶら下げる構想を描いている様子。二つ合わせると600億ドルの運用資産を誇るプライベート・デット運用会社が出来上がり。

いやいや、これは立派な規模になりました。まさにPD世界の合従連衡。さらなる国盗み物語が始まる気が致します。

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