ゴールドマンが生きる道

FT記事:Goldman doubles down on the ‘wealth adjacent’より

現CEOのDavid Solomonさんが着任して2回目の大きな事業再編に着手するGoldman Sachs。私たちの古巣という事もあり、ついOB/OG目線で見てしまいます。

これまでMarcusを中心に一般消費者を対象としたリテール路線を志向してきましたが、ここにきて再び富裕層の顧客を中心に事業をピボットすることになります。

トレーディングとアドバイザリービジネスの振幅が大きいと批判され続けきたGS。それに対して現経営陣が打ち出してきたのはリテールビジネスの拡張でしたが、1000億ドルを超える預かり=資金調達の多様化に一定の成果をみたものの、今ひとつ爆発力に欠ける状態。

昔のリテールモデルとは異なり、現代においては業務の統合力が求められるプライベート・バンキングにおいてAyco,United Capital, NextCapitalと買収を行なってきたGSでも既にロボ・アドバイザーから遺言の執行、賃貸・所有住宅のサポートまでできる体制が整っています。

では最大のライバル、モルガン・スタンレーとの違いはなにか。こちらの強さは620万人が加入する従業員向けの持株管理業務。ここを起点に富裕層をいち早く富裕層を特定し取引につなげていく。更にETradeの電子売買サービスを通じて若い富裕層がっつり掴む、そんなフローが出来上がっているところではないでしょうか。

この職場を起点に富裕層向けサービスをシームレスに展開する同社は、収益の半分をプライベート・バンキングと資産運用業務で稼ぎ出しています。バリュエーション含めてGSが後塵を排している現状打開には、より源流にアプローチする手法が問われているようです。

それでは今週もご自愛ください。

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