AIエージェントが商売を変える

Open AIがChat GPT上で提供する”エージェント”機能、もう使われましたか?

7月17日にリリースされた機能ですが、ぜひ試してみてください。ユーザーの代わりにAI エージェントがアイコンをクリックしたり、次の画面に変移しながら旅行の予約や、レストランの予約をすすめてくれます。

バーチャルスクリーン上で、エージェントがどんなボタン・アイコン操作をしているか見れるのですが、こいつがヤバいんですよ。試しに箱根で旅館を探してというとBooking.com上で日付・予算・場所を入力しつつ、カーソルを上手に動かして次々に画面を進んでいく様子がみれました。

もはやここまで来たか、と半分嘆息混じりで眺めていたのですが、いよいよ面倒な洋服選び(いいと思ったのに、在庫がないみたいな煩雑な作業)なんかもAIエージェントにお任せで進める時代が到来いたしました。

そこでFTが記事にしてきたのは、ショッピングの概念が根底から変わる、という話題。長いのでだいぶ割愛しましたが、それでもエッセンスはお感じいただけるかと思います。


FT記事:Rise of AI shopping ‘agents’ set to transform ecommerceより

世界を代表する人工知能企業は、ショッピングがAI「エージェント」の主要な応用分野になると見込んでおり、これは数十億ドル規模のeコマース業界を変革する動きとなりそうだ。

OpenAI、Perplexity、Google、Microsoftはここ数か月で、ユーザーがチャットボットを通じて商品を検索し、自律型エージェントが消費者に代わって注文を完了できるようにするAI搭載機能を導入した。

AIエージェントの台頭により、販売者やブランドはオンラインでの販売方法、特に自社製品がAIシステムにどのように検知され、チャットボットに推薦されるかを再考する必要に迫られている。

広告主は、キーワードを盛り込んだ長いURLを作成したり、ボットから権威あると見なされるウェブサイトで言及を得たりするなどの手法を用い、AI生成結果で目立つようにしている。

Profound、ファッション特化のRefine、Algoliaといったスタートアップも登場し、AIチャットボットの応答におけるブランド露出を監視できるサービスを提供している。

Profoundの共同創業者ジェームズ・キャドワラダー氏は、消費者行動が「転換点」に達しつつあり、人々がeコマースサイトを訪問しなくなる可能性があると述べた。

「AI(エージェントやチャットボット)はブランドから消費者を“奪う”のです」と彼は言う。「最終的に、消費者は“答えを返すエンジン”としかやり取りしなくなり、ウェブサイトやインターネットの主要な訪問者はエージェントになるでしょう。」

同時に、AIサービスは検索ツールとしてもますます使われている。検索エンジンマーケティング企業Semrushのデータによると、欧州におけるGoogle検索の約60%はクリックに至らず、代わりにAI生成の「概要」テキストを頼りに質問に答えている。

AI企業はこれらの動きを活用し、eコマースサービスを立ち上げている。OpenAIはショッピングシステム「Operator」を刷新し、「Agent」と改称。ウェブブラウザ内でタスクを完了できるようにし、ショッピングを主要ユースケースの一つに位置付けた。

例えば、ユーザーが「ローストディナーとデザートの食材を購入して」と指示すると、このシステムはスーパーのウェブサイトにアクセスし、必要な商品をカートに追加。その後、購入手続きをユーザーに引き渡すことができた。

中略

「ショッピングはユーザーに響く、非常にパーソナライズされた体験でなければなりません」とGoogleショッピング製品担当副社長のリリアン・リンコン氏は語る。同氏によれば、Googleの最新機能は消費者の「時間と労力を節約」し、「20個ものタブを開き、さまざまな商品を調べ、複雑で面倒な思いをする」ことを防ぐ設計になっている。

AIチャットボットやエージェントシステムは通常、従来型検索エンジンの上位結果から商品を選ぶ。Googleはこれに加え、広告や検索結果、さらにユーザーの個人データを組み合わせて、より的確な推薦を行っている。

そのため、ブランドはSEO(検索エンジン最適化)手法を通じてターゲット化することができるが、マーケターはAI生成結果でブランドが表示される可能性を高める新しい方法も採用している。

中略

Blank Venturesの共同創業者でありRefineの投資家でもあるハンナ・チェルコフスキ氏は、小売業者がAIチャットボットにおける「セマンティック検索」の増加を目の当たりにしていると述べた。例えばユーザーは、具体的なファッションアイテムではなく「フランス南部での結婚式に着る服」といった広義の表現で検索するようになっている。このため、商品カタログはこうした検索スタイルに合致するテキスト記述を含むよう「再編成」する必要がある。

オーストリア応用科学大学の最近の研究では、チャットボットは従来のウェブサイト上の広告に触れ、それに影響される可能性があり、画像よりもテキストを好む傾向があることが示された。つまり、明快なテキスト広告のほうがチャットボット結果に表示されたいブランドにとって有効である可能性がある。

中略

ブルース氏は、AIエージェントの登場は「店舗やブランドが意味をなさなくなる世界」への移行を意味すると警告。システムが商品を選択するため、消費者の選択肢が制限される可能性があると述べた。

「消費者は利便性と引き換えに、プライバシー、自由、選択の権利を失うのです……今日靴を手放したら、明日は何を犠牲にすることになるか分かりません。」


それでは今週もご自愛ください。

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