新シリーズ始めます インフラ投資の巨人Brookfieldの研究です
先日のPE界の巨人Blackstoneさんに続いて、インフラ投資の巨人(と思っている)Brookfieldさんに迫ってみます。
インフラの巨人どころではない
ところが、調べるにつれ”インフラの巨人”というイメージがどんどん薄れていくではないですか。
想像以上の巨大企業で、その枠はインフラだけに全く収まってない!しかも会社構成がBlackstoneと全然違う。例えていうならチェスとサッカー位の差がある(意味不明ですねw)。
これから6部構成でそのBrookfieldの面白さに迫っていきます。よろしくお付き合いください。
すべての情報は同社のディクロージャーおよび公開情報に基づいています。正確性については保証できない点を予めお許し願います。
Writer in Chief: Takashi Miura
意外な生い立ち
なんと意外な。
これから語っていくBrookfield Asset Managementですが、起源は1899年に設立されたSão Paulo Tramway, Light and Power Companyと、1904年にマッキンゼーグループが設立したThe Rio de Janeiro Tramway, Light and Power Companyが母体。
こちらはブラジルにおける電気と輸送インフラの建設及び管理会社。Tramって名前がついてますもんね。なんとブラジル生まれなんです。
1912年に持株会社としてBrazilian Traction, Light and Power Company Limited がトロント(カナダ)にて設立。事業はブラジルにおける水力発電の開発、及びその他ユーティリティサービスを手掛けています。ここでカナダ育ちになるのか!
月日は流れます。1966年Brazilian Traction, Light and Power Companyは社名をBrazilian Light and Power Companyに変更。この辺からインフラっぽい香り?が生まれてきそうですが、ところがどっこい1969年に再び社名をBrascan Limitedに変更。
2005年にBrascan Limitedは社名を現在のBrookfield Asset Managementに変更(以下”ブルックフィールド”)しており、馴染みある名前になったのはつい最近のことなんです。
別の回で触れますが、2019年にオルタナティブ投資の大手であるオークツリーを買収。現在では以下の5部門を擁する巨大運用会社となっています。
不動産・インフラストラクチャー・再生可能エネルギー・プライベートエクイティ・クレジット
余談ですが、ニューヨークのPark Avenue沿いにあった前職での本社オフィスはブルックフィールドさんの所有でありました。
さて、そのブルックフィールドですが、まずは組織図を俯瞰してみます。
ブルックフィールドの組織図
これを見ると一目瞭然ですが、ブルックフィールドは本体だけでなく、クレジット以外の事業部門をそれぞれ独立して上場させてるんですね。
先日のブログで触れた不動産部門の非上場化は上のBPYが該当します。これまで触れてきたブラックストーン・カーライル・KKRとは全く異なる企業ストラクチャーですね。(BDCなどを除く)
なぜこうなっているのか。次回考察しようと思うのですが、キーワードはバランスシートと従業員の数だと思っています。
お楽しみに!