コロナ禍を避ける手段:非上場化

2021年1月5日付 FT記事 Brookfield seeks to take real estate arm privateより

https://www.ft.com/content/aedbbb8c-d09f-494f-807e-82fbbe2f47b4

インフラ投資で有名なBrookfield Asset Management(以下BAM)ですが、全米最大のショッピングモール運営会社であるBrookfield Property Partners(BPP)の親会社でもあります。

このBAMが、上場しているBPPを非上場化するニュースが報道されています。現金買取にて、約15%(年末に対して)のプレミアムが提示されているとのこと。

BPPの投資家は株式交換も選べるそうで、BPP1株あたりBAM0.4株、もしくは0.66株のBPP優先株(preferred unit)のチョイスがあるとのこと。株主としては悩んじゃいますね。ワクチン後のモール復活にかけるなら優先株かな。

BAMのCFOであるNick Goodman氏のコメントを拝見すると、「運用の柔軟性を高め、本質的価値(intrinsic value)を実現させたい」と。私的に勝手訳させて頂くと「株も下がってるし、株主も不安だろうから、価値高まるまでウチで持ちますわ」という感じでしょうか。

皆さんのご想像通り、米国のショッピングモールはコロナ禍で客足が途絶え、テナント退店も相次いでおり、その運営会社も不振に陥っている状況です。実際の数字は記載されていませんが、テナントの支払い不履行も高止まりしている模様です。

BPPの株価は米政府の自宅待機政策が発動された4月に50%以上下落し、それ以降ほんのわずかな回復にとどまっています。BAMとしては昨年9月に大規模な物件の売却を発表し(金額は未公表)、事業のテコ入れを図っておりますが、昨年6月は第二四半期の予定する賃料総額の35%しか受領していないと報告。これは厳しい!

ロンドンのCanary Wharf、ニューヨークのLever House、そして全米で100以上のショッピング・モールを保有する大地主であるBAM/BPP。コロナ禍の荒波を越えるプライベート化の行方に注目です。

関連ブログ