果たせなかった夢 ヘルスケア・ドリームチームの敗北

2021年1月6日付 FT紙 Would-be US healthcare disrupter Haven foldsより

https://www.ft.com/content/7f9b1a8c-800b-44ff-80b7-c4b5a9642966

皆さんもご記憶にあるかも知れませんが、ちょうど3年前の2018年1月にアメリカで、ある野心的な大プロジェクトが発表されました。それはAmazon, Berkshire Hathaway, JP Morganという現代資本市場を体現する3社が共同でヘルスケア業界にて新会社を設立するというものでした。

高騰し続けるヘルスケア費用に歯止めをかけるべく、業界改革の旗手として華々しいスタートを切り、高い関心を集めたプロジェクトでしたが、それが約3年後の今、ひっそりと事業を終了することになりました。

社長に有名な外科医であるAtul Gawande氏を招聘したのが2018年4月。期待は最高潮に高まります。その名もHaven Healthcareという高い理想を掲げた社名でしたが、そのGawande氏も期待通りの手腕を発揮できず、去年5月に会長職に降格。

今年1月4日、57名の職員に対して事業を2月で終了するアナウンスがあったとのことです。会社発表ではプラマリーケアへの容易なアクセスと、手頃な処方箋を提供する面において改善に貢献した、とありますが、当初期待されたほどのの事業インパクトを出せずじまいに終わったプロジェクトとなりました。

あれほどのドリームチームと資金量を持ってしても改革が難しかったアメリカのヘルスケア。これは相当重たい社会課題だと改めて認識した次第です。

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