グリーンという名の曖昧さ

FTコラムLEX:EU fund managers: 50 shades of greenより

皆様であればSFDRとくれば、ピピっと「Article 9にComplyしてる?」との質問に及んでいくかと思います。そんな感度の高い指標であるにも関わらず、欧州でSustainability投資が「減っている」という意外な話題に触れてみたいと思います。

まずはパフォーマンス上の理由ですが、ESGファンドに含まれない、石化エネルギー/防衛・軍事/タバコなどのセクターがオーバー・パフォームしているのは周知の事実かと思います。まずはリターンでしょ、その気持ちも良くわかります。

それでも欧州で運用されるファンドの半数以上がSFDRに基づき、Greenとされている状況に何が起こっているのか。(ちなみにArticle6に準拠:全体の49.1%、以下同様 Article 8: 45.9% Article 9: 5.0%)

まずは欧州の著名マネージャーAmundiの行動が注目を集めました。同社の運用する総額450億ドルにも達する”really green” Fundを”sort of green”へ区分をダウングレードしたんです。ESGもしくはSustainableという定義の曖昧さを物語る事ではありますが、一部で騒がれたGreen Washingに対する訴訟リスクを懸念して、保守的な決断を行ったと言われています。

欧州における半数以上のファンドがarticle 8 (light green)もしくはarticle9 (dark green)を取得しているものの(比率は上記ご参照)、そのうち380もの商品が区分替えを模索している様子

FTコラムも指摘しておりますが、最も重要な点は投資家にとって「最も高いリスク調整後リターンを提供できるか」にあるべきで、決められた規格を満たすために商品を設計したり、行動を調整することは賢明でない。おっしゃる通りですね。

ちなみにArticle9に準拠しているファンドは全体の5%しかないようですが、それが投資家とって必ずしも最適解、とならないことは賢明な皆様であればご理解頂けるものかと存じます。

それでは今週もご自愛ください。

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