ロンドン賃貸住宅の夜明けはまだか

2021年1月6日付けFT紙 Loan Star awaits ‘brighter day’ for 3Bn pounds sale より

Quintainプロジェクトの売却は見送りに

Quintainと聞いてロンドンの賃貸アパートメント市場が浮かんでくる方は相当の不動産マニア、いや専門家ではないでしょうか。

しかしWembley Parkと聞くと俄然身近な存在になってくる。

QuintainはWembley Parkを含む85エーカーの広大な土地に、8000室の賃貸アパートメントを建設する英国最大とも言われる巨大プロジェクト、その運営開発会社であります。

コロナ禍が進展する前までは、その強気ぶりが報道されてきた英国の賃貸アパート市場において総額30億ポンドとも言われる、本プロジェクトの行方が話題に。

LoanStarは市場の回復を待つ

そのQuintainの所有者はLoneStar。日本でもお馴染みのPE投資会社ですね。LoneStarがQuintain社を買収し、非上場化したのが2015年。以来、虎の子資産として開発を継続しております。

2018年にはGet Livingという、ロンドンオリンピックで建設された選手村を所有していた不動産開発会社への売却へ傾きましたが、最後は値段が折り合えず見送りに。そのまま開発を続け現在1500室が完成。

コロナ禍のなかLoanStarはQuintainの売却意向を再び示しており、3社の有力なビッダー(Patrizia, Long Harbour, GetLiving)に注目が集まっていたのですが、市場の環境が余りにも悪くLoanStar側から売却意向を取り上げたとの報道。

日本でも緊急事態宣言が出され、まずは2月7日まで我慢の日々が続いておりますが、英国は日本よりも深刻な状況にも思えます。ワクチン接種が嬉しいニュースをもたらしてくれるのはいつの日になるのだろうか。そしてロンドンの賃貸アパート市場に光は射すのだろうか。

まだ夜明けは遠い、と思えるとき第一歩を踏み出しQuintainを取りに行く。そんな勇気ある投資家が誰になるのか。外野からしっかりとウォッチさせて頂こうと思います。

今日もよい一日を。

追伸 先日お伝えしたプライベートジェット運営会社のSignature Aviationですが、なんとGIPが怒涛の追い上げをみせ34億ポンドで手中に納めました!Blackstoneとゲイツ財団の提示価格よりも4億ポンド上乗せ。

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